ごま油分は、有効なエネルギー源。油脂には色々な生理機能があることが知られていますが、油脂の脂肪酸
の構造と組織が大きく影響することが明らかになってきました。
欧米ではエスキモーや日本人の食事の比較から、動物脂を主とする脂肪(飽和脂肪酸)のとり過ぎが成人病
の大きな原因とわかり、血中コレステロールを正常に保つため、多価不飽和脂肪酸を多くして飽和脂肪酸を
すくなくすることがよいとされ、最近の日本人の場合も動物性油脂をとりすぎないように警告されるように
なったのです。
多価不飽和脂肪酸は子宮、血管、気管支などの平滑筋の収縮、弛緩作用、血小板の凝集作用、炎症作用など、
さまざまな機能をもつホルモン様物質であるプロスタグランジン類の前駆体物質としても重要です。
そのプロスタグランジン類にはリノール酸のような脂肪酸からと、リノレン酸や魚油に多いイコサペンタエン
酸などの脂肪酸から生成するものと作用の違う二つのグループがあります。
ごまの油脂を構成する脂肪酸は、おもに不飽和脂肪酸であるリノール酸とオレイン酸で占められています。
リノール酸は人間にとって必須脂肪酸の一つで、体内では合成されず、食品から摂取しなければならないも
の。それは細胞膜の構成成分として、また血液中のコレステロールの輸送と代謝に関するリポタンパク質の
構成成分として重要な成分であり、適正な量を食品から摂取することが必要です。
一方のオレインサンは必須脂肪酸ではないのですが、悪玉コレステロールであるLDLを抑え、善玉コレステ
ロールであるHDL高める作用があることがわかり改めて注目されています。
ごま油脂は栄養学的にたいへん優れた油脂です。
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